冬の小劇場公演「竹取物語」
本日千秋楽を迎えることができました
公演期間内に東日本大震災が起こり
やむをえずいくつかの公演を中止致しましたが
皆様の温かい励ましもいただきながら
何とか上演を続けてまいりました
この作品を応援して下さった
すべての皆様に厚く御礼申し上げます
正直なところ
公演を続けることには多くの葛藤がありました
震災では
ご家族やご友人そして住む家までもなくされた方
避難所で苦しい生活を強いられている方
現在でも行方の分からない方も
数多くいらっしゃいます
加えて
この地域でも燃料や電気が不足し、
生活物資の供給が一部滞っている状況もありました
果たしてこの状況で舞台を上演して良いものか
また被災された方に対して劇場として何をできるのか
「この公演を通して、生きる希望や勇気を届けたい!」
という思いも自己満足に過ぎないのではないか
でも最終的には
社会の負担にならないように最大限配慮しながら
公演を継続するという判断を致しました
被災地にいる皆様が実際にこの舞台を
観ることはなかったかもしれません
でも人と人とはつながっています
この舞台で共有できた生きる希望や勇気というものが
皆様の愛する御家族や故郷への思いを深め
人を支えるエネルギーへと変わっていく
そして
それが人を介し、形を変えて
いつの日か被災地の皆様のもとへ届くことを
心の底から願い、また信じています
わらび座は今年で創立60周年を迎えました
もともと戦後の焼け野原で
必死に生きる人々へ歌や踊りを通して
生きる希望や勇気を届けたいと始まった劇団です
いまこそ原点を見つめ直して、劇場としても
皆様の希望となるような活動を行っていきたいと思います
わらび劇場スタッフ一同
被災者の皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに
一日も早い被災地の復興を願っております